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短編

チルソクとプルコンノリ

 ←チルソクの夜 →恋心と野心 11
 数日後、ソウルで盛大な花火大会が開かれると聞いたテギョンは、ミニョを誘って見に行こうと思った。
「ちょうど七夕だしいいな」
 だいぶん前から七夕は「恋人の日」という認識が若者の間に広まっていた。
「仕事を早めに切り上げて、ゆっくりと花火をミニョと見るのもいいよな」
 その夜のことが頭に浮かんでニヤニヤ笑いが止まらない。
「まただよ。またヒョンが笑ってる」
「ほっとけよ。どうせミニョのことでも考えてるんだろ?」
 無視しろよとシヌは言う。
 しかし、ミナムの目がキラーンと光って、こちらもニヤッと笑った。

「ただいま」
「おかえりなさい、オッパ。荷物が届いてますよ」
「荷物? 誰からだ?」
「モ・ファランさんからです」
「……あの人から?」
 未だに「母さん」と呼ぶことに抵抗を感じるテギョン。
 未開封のままの荷物を見てから、くすっと笑った。
「今回は勝手に開けなかったんだな」
「どういう意味ですか? ………………あっ! あれはミジャ伯母さんが」
 前にテギョンに届いた父親からの誕生日プレゼントを勝手にミジャが開けたことを言っているのだ。
「いいさ。何だろうな?」
 開封してみると、中には色鮮やかな衣装が入っていた。
「何だ、これ? 見たことない服だな?」
「ええ。でも、すごくきれいですね。この太い紐はなんでしょうか? それにこの変な形の靴? サンダル?」
 次々といろいろな物が出てくる。
「お手紙が入っていますよ」
『テギョン、ミニョさん。お久しぶりです。私は今、日本にいます。こちらでは夏が来ると若い男女がこの「浴衣」という衣装を着て、お祭などに出かけるそうです。二人もこの夏はこの衣装で出かけてみてください。暑いのでくれぐれも身体には気をつけるように』
 最後にちらっと母親らしい気遣いを見せる手紙だった。
「ユカタ? 何だそれ?」
「可愛い衣装ですね。この花柄の方が女性用で、こちらの渋めの色が男性用でしょうか?」
「こんなの着て出かけろって言うのか? どこに……」
 そこでテギョンははっとした。
(花火大会だ! いいかも!)
「でも、どうやって着るんでしょうか? 何かおかしな形をした衣装ですね。この太い紐は何でしょうか? ボタンもないし、どうやって着るのかしら?」
 浴衣を見ながらミニョは首を傾げた。
『着付け方は私の知り合いがソウルにいるので、そちらに頼んだらいいわ』
 と書いてある。
「よし! コレを着てデートしようじゃないか。目立っていいぞ」
「オッパ! 逆に目立って困りますよ」
「何でだ? いいじゃないか。これを着たお前が見てみたい」
「……ホントにそう思いますか?」
 嬉しそうにミニョが聞く。
「ああ」
「じゃあ……」
 花火大会のことは内緒のまま、七夕にデートをすることを決めた。

 モ・ファランの思わぬ贈り物の浴衣は、ミニョ用のが白地に色鮮やかな青と黄色の花火の柄と一緒に、藍色の時計草が華やかに織り込まれたものだ。花弁から小さな花を付けた茎がまるで時計の長針と短針の秒針のように大きく開いている様は艶やかだ。その艶やかさを引き立たせているのが、二つの色の花火の柄。
 帯は袋帯で鮮やかなエメラルドグリーン。下駄は上品な白木の台に時計草と同じ藍色のグラデーションの鼻緒が可愛いものになっている。小物には竹で出来た小さなカゴ。中には和柄の巾着が入っている。
 テギョン用の浴衣には、濃紺地に、淡い色の流水模様が落ち着いた雰囲気のもの。小さな紺と白の水しぶきが艶やかさを引き立たせる。帯はシンプルにグレーのもの。下駄は桐の台に、縞地の太い鼻緒が粋なものだった。
 花火大会の日、モ・ファランの知り合いの女性の家で二人揃って着付をしてもらった。
「まあ、やっぱりモ・ファランさんの息子さんだけあって、美男子ですね。浴衣が映えますよ」
 モ・ファランの知り合いの女性は日本人だった。結婚して韓国に来たらしく、日本では着付けの先生をしていたらしい。
「こちらのお嬢さんも可愛いこと。モ・ファランさんはいい浴衣を選ばれましたよ」
 浴衣姿の二人をその女性は褒めちぎった。
「ありがとうございます」
 二人はよくお礼を言って、家を後にした。
 女性が言うようにミニョにその浴衣はホントに似合っていた。髪を結い上げ、うなじにかかる後れ毛がなんとも色っぽい。
 思わず見惚れてしまったテギョンに、ミニョが小首をかしげる。
「オッパ、どうしました?」
「え? あ、何でもない! さ、行くぞ!」
「行くってどこにですか?」
「いいところだ」
 カラコロと下駄の音をさせながら歩く二人を、みんなが振り返って見る。
 ソウルの街中には珍しい浴衣姿だ。しかもそれを着ているのが、テギョンとミニョという有名カップル。
 手を繋いで歩く二人に、男女問わず皆が見惚れた。
「オッパがカッコいいからみんなが振り返ってますね」
 ミニョは本当にそう思った。背の高いテギョンに粋な浴衣姿は似合っている。流水模様は上から下に流れる様を表しているから、余計にテギョンのすらっとした体型を際立たせた。
「お前だけにカッコいいって思われたらいいよ」
「オッパ……」
 嬉しそうにミニョはまたカラコロと下駄を響かせた。

「うわぁ……」
 ミニョは言葉が出なかった。
 人・人・人・人……。
 どこを見ても人だらけ。
「今日は何かあるんですか? こんなに人がいて」
「花火大会だ」
「花火ですか? きゃあ! 嬉しい」
 ミニョは素直に喜んだ。
 浴衣姿の二人はやっぱりここでもかなり目立った。
「ねえ、あれってファン・テギョンよね? あれって何?」
「さあ。でも、キレイな服ね」
「あれってユカタじゃない? 日本の伝統衣装の」
「へえ……」
 そんな会話が交わされるのが聞こえるが、もう気にしなかった。
「――ニョ! ミニョ!!」
 どこから声が聞こえると思った。
「ん? 誰か呼んでる?」
 キョロキョロッと周りを見渡したが知り合いはいない。
「空耳かな?」
「どうした?」
「今、名前を呼ばれたような気がして」
「そんなはずないだろ。こんなところに知り合いが」
「ヒョーン!!!!」
 いきなりぽんっと肩を叩かれた。
「うわぁっ!!!!!」
 本気でびっくりしたテギョンは飛び上がらんばかりに叫んだ。
「ななななんで、お前たちが!?」
 目の前にいるのは、ジェルミ、シヌ、ミナムにユ・ヘイ。
「抜け駆けなんてズルイぞ。二人だけで花火を楽しもうなんてさ」
 ミナムがニヤニヤ笑いながら言う。
「お前!」
「こういう楽しいイベントはみんなで楽しまなきゃ。それより、二人とも何、その格好?」
 ジェルミが不思議そうに聞く。
「ホント。可愛い服ね」
 ユ・ヘイも浴衣に興味を示した。
「もらったんだよ。日本のユカタって衣装だ」
「へえ、いいわね」
「うん、ミニョに似合ってるよ」
 みんな口々にミニョを褒める。可愛い彼女が褒められて悪い気がする男はいない。
 案の定テギョンも鼻高々だ。
「ありがとうございます。でも、オッパもステキでしょ?」
 ミニョはテギョンも褒めてもらいたい。そこはやっぱりテギョンと同じ気持ちだ。
「ヒョンのもいいね。俺も今度買おうかな? どこで売ってるの?」
「だから、もらいもんだって言っただろ」
 ぎゃあぎゃあ騒ぐ六人はこれだけの人の中でも目立った。
 自然と周りに人が寄ってくる。
「ここはマズイな。どっか静かに見れるところはないのか?」
「そう言うと思ってちゃーんと用意してあるよ」
 ミナムが自信ありげに言う。

 連れて行かれたさきは、会場近くにあったホテルのスイートルーム。ここからの眺めはバツグンで、毎年空きがないほど満室状態。
「ここからだったら静かに見えるぞ」
「ホントね。一望できるわ」
「パーティーしながら花火見ようよ」
 早速ジェルミが料理を注文して、ささやかながらパーティーが始まった。

 どどーん!

 夏の夜空にひときわ華やかな花火が打ちあがった。色鮮やかなその花火はミニョの浴衣の模様と同じで美しい。
 次々と打ちあがる花火にミニョは見惚れた。隣に並んで座るテギョンは花火に見つめるミニョの横顔に見惚れた。
 花火の明かりに照らされるミニョは美しく、二人きりだったら抱き締めてキスしたいところだ。
(こいつらがいたって!)
 手が伸びかけたとき、またどどーんと花火が上がって、ミニョがきゃあっと言いながら立ち上がった。
「キレイですね。ね、オッパ?」
「あ、ああ……」
 伸ばした手のやり場に困って、テギョンは頬を掻いた。
 花火が上がるたびにきゃあきゃあとミニョは嬉しそうに手を叩く。
 二人だけで見る花火とはならなかったけど、テギョンはミニョの喜ぶ姿が見れたことに満足していた。
「これはこれでいいかもな」
 クライマックスが近づいて、一気に花火が打ち上がる。
 テギョンはそっとミニョの腕を掴んだ。
「オッパ?」
 しっ、と人差し指でミニョの口を押さえた。
 みんなから少し離れて、花火が見えるギリギリまで下がった。
 部屋の灯りは花火を見るために消していた。
 一斉に打ち上がる花火は色とりどりで、窓際の四人の顔を照らす。
「どうしたんですか?」
「せっかくだから、最後はここから二人だけで見よう」
「はい」
 寄り添うようにして二人は花火を見た。
 そっとミニョの顎に手をかけて、テギョンは顔を持ち上げると唇を落とした。
 驚いたミニョだったが拒むことはなかった。

「来年もこうして一緒に浴衣を着て、花火を見ような」
「はい」

 華やかな打ち上げ花火を見ながら二人は今日を迎えられたことに幸せを感じていた。


 母さん……
     ありがとう……。






こんばんわ。七夕のお話「浴衣編」です。
どうでしょうか? 浴衣の柄のイメージが伝わったでしょうか??
テギョンの浴衣は柄の表現が難しいです。ミニョの柄の「時計草」は英名が「キリストの受難の花」という意味で、キリスト教の布教に利用されたそうです。
シスターになるはずだったミニョにピッタリかな? でも、その意味を詳しく知ったら、ツライかな?
みなさんが思い描いたお話となってるでしょうか?
メンバーたちとみんなで一緒にワイワイのお話でした。

浴衣のお話はまた本編でも書きたいと思ってます。
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~ Comment ~

素敵な浴衣姿でしょうね!

こんばんは!

今、予報どおり雨が降ってます。うれし涙ですね!
テギョンの浴衣姿さぞかしカッコいいでしょうね!
うぅ、惚れなおしちゃう。一緒に歩いて見たい。(身の程知らずな…)ミニョだって、可愛さ満点隠れニヤニヤが伝わってきますよ…
恋人の日、ちゃんとテギョンは考えてくれてましたね。ミナムによって、邪魔されちゃったけど、花火に大喜びのミニョを見たら、満足だよね!
  • #11106 にこにこひまわり♪ 
  • URL 
  • 2011.07/07 22:53 
  •  ▲EntryTop 

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Re: にこにこひまわり♪さん

おはようございます、にこにこひまわり♪さん。

そちらは雨でしたか。きっと天の二人の嬉し涙でしょうね。
浴衣姿の二人。目立ってしょうがないけど、自慢でしょうね。
テギョンの浴衣姿・・・映像で見てみたい(笑)
ヨダレでちゃうかも(笑)

Re: 名無しさん

おはようございます、名無しさん。

お名前がないので、「名無し」さんって書かせてもらいました。

浴衣デートって夏にぴったりですね。
でも、韓国じゃ珍しいだろうから、目立ったでしょうね。
そこがテギョンの優越感をくすぐったかも(笑)
花火に見惚れるミニョの顔の見惚れるテギョン。
きっとすっごくデレデレした顔をだと思います(笑)
二人のキスだってみんな見て見ぬフリですよ。ジェルミ以外は(笑)

Re:ふーちゃんさん

おはようございます、ふーちゃんさん。

思わぬ人からのプレゼント。
テギョンにとっては嬉しいプレゼントだったと思います。
花はいろいろありますね。「時計草」なんて知らなかったので、
調べてみたら可愛い花だったので、ミニョにぴったりかな?って思いました。

Re: あやコリアンさん

おはようございます、初めまして、あやコリアンさん。

お越しいただきありがとうございます。
のあさんのところから来てくれたんですね。
ありがとうございます。
基本、こちらは「テギョン・ミニョ」メインのお話になっています。
今は、ジェルミの恋バナも書いています。

お話がたくさんありますが、すべて読んでもらえたら嬉しいです。

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Re:みほさん

こんばんわ、みほさん。

今度は本編、できれば甘甘でも書いてみたいと思ってます。

Re: シネちゃん大好きより さん

こんばんわ、シネちゃん大好きよりさん。

七夕ってロマンチックですよね。
浴衣姿の女性ってほんと色っぽい!
うなじの後れ毛なんかがそそるんでしょうね(笑)
シネちゃんは確かに肉感的なんで、なおさらでしょうね(笑)
って、私はオッサンか!!

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Re: みうさん

こんばんわ、みうさん。

韓国で浴衣姿って珍しいでしょうね。
でも下駄の音させながら歩く二人はきっと
お似合いだと思います。
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