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短編

ホワイトデー企画 笑顔とケーキ

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 その広告を目にした時、テギョンは固まった。
『三ツ星ソウルホテルのホワイトデー特別ケーキ予約受付中! あなたの一番大切なあの人に甘い愛を贈りませんか?』
 と長々と銘打ったその特別ケーキのお値段は…………。
「……3千万ウォン!?」
 ぷるぷると震える手でテギョンは広告を握り締めたまま叫んでいた。
 例のごとく練習の合間の休憩時間。今日もアン社長の差し入れのまさにケーキをみんなで頬張っているところ。
「何なに? 何が3千万ウォンなの?」
 口元に生クリームを付けたままジェルミが、さらにケーキを大口開けて頬張っている。
「指輪か? ネックレスか?」
 ミナムが三つ目のケーキに手を伸ばしてジェルミに睨まれた。
「それはヒョンのだろ!」
「だってこいつ食わないだろ」
「食べなくてもヒョンのだ!」
 テギョンはさっきから固まったまま。
「何だよ? 何の広告だよ」
 ひょいっとミナムが広告を奪った。
「なになに? ……うぉ!!!! 見ろよ。ホワイトデーのケーキが3千万ウォンだってさ。こんなのお返しに贈る奴なんかいるのかよ? 顔見てみてー……」
 一斉に三人の目がテギョンに注がれた。
 ……テギョンはすでに予約の電話中だった。

 まさか、そんな高価なケーキをお返しにもらうと思ってもいないミニョはすっかりホワイトデーのことは忘れていた。
 バレンタインデーを甘く過ごしたミニョにとってお返しはいつももらっているようなもの。
 今日は事務所の近くのカフェでワンコーディとユ・ヘイの三人で「女子会」を開くことになっている。
 注文をすませるとすぐにユ・ヘイが、
「もうすぐホワイトデーね」
 と話を切り出した。
「そう言えばそうねえ」
「お姉さんはマ室長に何かあげたの?」
「私? ああ、バレンタインね。別に何もあげなかったわ。それどころじゃなかったしね」
「そう言えばそうね。ちょうどあの頃結婚式だったしね。お姉さん、キレイだった」
「ありがとう。ヘイはミナムに何をあげたのよ」
「私? 私は……うふふ」
 意味深に笑うユ・ヘイにワンコーディも笑う。ただ一人ミニョはきょとんとしている。
「私よりもあんたは何をあげたのよ?」
 いきなり話を振られてミニョは「何がですか?」と訊いた。
「バレンタインよ」
「え?」
 途端にミニョの顔が真っ赤になる。バレンタインの日を思い出したのだ。
 その顔を見れば二人にも何をあげたのか分かったというもの。
「あーはいはい。純情ぶっててもちゃっかりしてるのね」
「ヘイ、言いすぎよ。ミニョだってもう子供じゃないんだから。ねえ?」
 二人のニコニコ笑顔にますますミニョは真っ赤になる。
「じゃあ、ホワイトデーのお返しは……」
 ユ・ヘイがますます意味深な笑いを口元に浮かべた。
「ホワイトデー?」
「そうよ。あと一週間ぐらいでホワイトデーでしょ?」
「あ……そうでしたね。忘れてました」
「のん気ねえ。で? 何をもらうの?」
「何をって言われても……別に何も欲しくはないので……」
「ふーん。あんたが欲しくなくても、ファン・テギョンのことだから、すごい物でも用意するんでしょうね」
 つまらなそうにユ・ヘイは言うと、「私はインペリアルホテルにミナムと宿泊するのよ」とすぐに自分の話に戻った。
「いいわね。そこで甘い夜を過ごすのね」
「やだ、お姉さんったら」
 うふふっと笑い合う二人に、ミニョは静かにコーヒーを飲んで加わらなかった。

 ホワイトデーの当日――。
 テギョンは仕事もそこそこにして、注文していたケーキを取りにホテルに向かった。
「ファン・テギョン様ですございますね。いつもありがとうございます。ご予約のケーキはご自宅のほうにお届けさせてもらいました」
 とケーキ屋のオーナーが言う。
「はあ? そんなこと頼んだ覚えはないぞ」
「特別ケーキですので、そのようにお伝えしましたが……」
 と言いながら広告をテギョンに見せる。
 確かに広告の下のほうに「ご注文いただいたケーキはご自宅にお届けいたします」と書かれてある。
「よく見てなかったな。っち! 直接手渡したかったのに……。まあいいか」
 そそくさとテギョンは家に向かった。

 その頃、家のチャイムが鳴ってミニョが届けられたものを受け取っていた。
「何かしら? ずいぶんと大きい箱ね」
 テギョンが買い物をしたのだろうと思って、ミニョはその大きな箱をリビングまで運ぼうとした。
 しかし、一人で持つには重たすぎた。
 よろよろしながら何とかリビングまで運んだが、入り口のドアに箱がぶつかってしまい、よろけたミニョはそのまま箱ごと転んでしまった。
 ぐしゃ!
 何かの潰れたような音にミニョは慌てた。
「やだ! どうしよう!」
 焦ったミニョは箱が斜めになったまま開けてしまって、さらに顔を青ざめさせた。
「ケ、ケーキ?」
 元の形が分からないぐらいにぐしゃぐしゃになってしまったケーキ。
 あざやかな色合いや、すこし残った形から豪華なケーキだったのが窺えるが、今はただの見るかげもないケーキだ。
「どうしよう……」
 ミニョはおろおろしたが、元に戻すことは不可能だ。
「どうしよう……どうしよう……」
 崩れたケーキを見ながらミニョは泣いていた。涙があふれて止まらない。

「?」
 玄関のドアを開けてテギョンは何事かと思った。ミニョの泣き声が聞こえるからだ。
「ミニョ?」
 リビングに行って見ると、ぐしゃぐしゃになったケーキを前にしてミニョがわあわあと泣いていた。
「あ……」
 ミニョの泣いている理由が分かったテギョンは、恨めしそうにケーキを横目に見ながら、
「泣かなくていいよ。俺が悪かったんだ」
「でも……でも……ごめんなさぁい」
 なおも泣き続けるミニョに、テギョンはよしよしと頭を撫でた。
 ケーキが残念じゃないと言えば嘘になる。それよりも、ミニョがケーキのことぐらいで泣くのがツライ。
「もういいよ。もう泣くな」
 ようやく落ち着いたミニョは真っ赤な目のままで、潰れたケーキを見た。
「これって……」
「ん? ああ、ホワイトデーのお返しだ」
「……高かったんじゃないですか?」
「ん? ああ、まあな……」
「ごめんなさい」
「いいよ。どうせ食ってしまえば形はなくなるし、崩れるんだ」
 言いながらテギョンは生クリームを指にとって口に運んだ。
「うん、うまいぞ」
「そうですか?」
 ミニョも指ですくって食べてみる。
「ホントだ」
「崩れてても味はいいな」
 当たり前のことを言ってテギョンは手でケーキの塊をつかんだ。
「前もこんなふうにしてケーキを食ったことがあるな」
 二人で初めて過ごしたクリスマスを思い出した。
「そう言えば……。あの時もケーキはぐしゃぐしゃでしたね」
「お前はケーキをぐしゃぐしゃにして食うのが好きみたいだな」
「そんなことは……。でも、美味しいですよ」
「あはははは。確かにな」
 あの時と同じように手で二人は崩れたケーキを頬張った。二人で食べるには充分すぎるほどのケーキ。
 半分も二人のお腹には入らなかった。
「残りは明日事務所に持って行ってジェルミたちに食わせればいいさ」
 ひどいことをテギョンは言う。
「ミニョ」
「はい」
「……来年は崩すなよ」
「はい」
 笑いながらミニョは返事をした。

 その笑顔を見たときテギョンは、
(ミニョの笑顔は3千万ウォン以上の価値があるな)
 と思った。
 どんな甘いケーキも敵わないミニョの甘い笑顔。
 その笑顔が見れるなら、3千万ウォンも惜しくないと思った。

(ケーキの代金はミニョのこの笑顔を見るためだったと思えばいいさ)

 鼻の頭に生クリームを乗っけたまま笑うミニョに、テギョンも釣られて笑っていた。
 
 ずーっとその笑顔を見ていたいと思ったテギョンだった。





おはようございます。今日も朝から寒いです。でも、晴れてるので気温が上ってくれるかな?
今日はホワイトデーですね。我が家はバレンタインデーに旦那がもらってくるチョコはすべて私のお腹に納まり、ホワイトデーは何もしないというのが例年どおりです(笑)
付き合ってる頃は、まだ私も可愛かったので(顔ではなく性格が)ケーキなどを作って思いっきり「彼女」してました(笑)
「嫁」になってしまうと、行事にはまったく興味を示さなくなります(笑) 唯一、興味を示すのは「結婚記念日」です。と言っても、何もしないんですが・・・・。
今年は何かしたいんですが・・・・(笑)

今日もみなさんが一日笑顔でありますように。

いってらっしゃいといってきます。
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Re: とりこさん

おはようございます。

この二人って毎日がイベントみたいなものでしょうね(笑)
365日ラブラブって幸せです。
シヌは・・・また一人だったでしょうね。
そろそろ彼にも恋の予感があってもいいかな?

こちらこそ重いコメ返をしてしまい、すみません。
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