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「星に願いを 月に祈りを(恋人編)」
過去の真実

過去の真実 5

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 その名前を口にしたジスクおばあさんも、その名前を聞いた御前様も、どちらもが青ざめている。
 ガタガタと身体を震わせて御前様は椅子の肘掛けを摑んでいる。
「な、な、何を申しておる。わ、私が……イム・トンジェの子供を産んだ、だと?」
「……はい。そうです」
「たわけたことを申すな! 違う! 違うのだ!」
「いいえ、違いません! あなたの産んだ子供は今、イギリスにいるではありませんか!」
「!」
 二の句が次げずに御前様は言葉を失った。
「あなたが産んだ子供は男の子だった。でも、イム家でもファン家でもその子供の存在を抹消しようとした。当然ですよね。……不義の子供ですから」
「黙れ……」
「両家ともにその子供を隠そうとした。夫もその子供がどこへやられたのかまでは知りませんでした。世間体を気にする家としてはしょうがないことです。どうして、亡くなられた御主人の子供だと言わなかったのですか?」
「黙れと言っておろう」
「あなたにとってもその方がよかったはずでは? そうすれば引き裂かれることもなかった。あなたがイム・トンジェさんの子供だと言ってしまったために、その子供はあなたの目の前からいなくなった」
「黙れ……黙れ……」
 もう御前様にジスクおばあさんを黙らせる気力はなかった――。

 五十数年前、御前様は一人の男の子をひっそりと産んだ。
 婚家も実家も、中絶させるつもりだったが、気付いた時にはすでに時を逃していた。仕方なく、御前様をアメリカに行かせて、そこで出産させることにした。
 当時、イム・トンジェには結婚話が持ち上がっていたこともあり、義姉とのスキャンダルは何としても伏せたかったのだ。
 アメリカの名もない産婦人科で男の子を出産したが、子供を抱くこともできないまま、目覚めたときには、病室で一人っきりのままだった。
『子供は?』
 そこにいた看護師に聞くと、怪訝そうな顔をして御前様を見て言った。
『赤ちゃんは先ほど、お連れの方がどこかに連れて行かれましたよ』
『ええ!?』
 御前様は蒼ざめて、慌てて飛び起きたが産後だったため、頭に血が昇り、そのまま気を失ってしまった。
 次に目覚めた時には、目の前に両家から寄越されたそれぞれの弁護士がいた。
『赤ちゃんは? 子供はどこ?』
 血の気を失った顔で聞いた。
『お嬢様には、このまましばらくここで静養していただき、時期を見て韓国に戻られますようにとのお父様からのお言伝にございます』
 とファン家の弁護士が淡々とした口調で言った。
『若奥様には、ご静養の後、韓国に戻られましたら、正式にイム家から籍を抜いていただき、ファン家にお戻りになるようにとの先生からのご伝言にございます』
 とこちらも淡々とした口調でイム家の弁護士に言われた。
『そんなことはどうでもいい。子供はどうしたのだ! 子供だ!』
『では我々はこれで失礼いたします。どうぞ、ごゆっくりご静養なさってください』
 冷たいものだった。
 ひっそりとした病室で、御前様――ファン・ヨンジャは大泣きした。涙が涸れてなくなるんじゃないかと思うぐらい三日三晩泣き続けた。
 我が子をこの手に一度も抱けなかった。それがツラクくせつなく、泣きながら思うことは我が子を奪った両家への憎しみだけだった。
 せめて実家だけでも自分をかばってれると思ったのに、実家すら自分を見捨てた。悔しくてならず、いつしか涙は憎しみの涙へと変わっていた。
 半年後、ヨンジャはソウルに戻って来た。我が子と離れて以来、手を尽くして行方を捜したが手掛かりは得られなかった。
 出戻ってきた娘を両親は腫れ物に触るようにして、接した。
 ヨンジャもまた両親に対して憎しみしかなかった。
『姉さん。おかえり』
 弟のギュワンだけはいつもと変わらなかった。
『ギュワン……』
 ただ一つ違うことは愛する弟の隣には若く美しい妻ジスクがいたことだ。しかも、その腕には生まれたばかりのギョンセが抱かれていた。
 チクリとヨンジャの胸が痛んだ。
 一度も我が子に飲ませることのなかった胸は張って、毎夜涙を流しながら搾り取った。
 ギョンセの顔を見たとき、怒りと憎しみが入り交じり、そのことを思い出した。
(私の子供……私の息子……)
 どこかで生きているはずの我が子を必ず見つける。見つけて、この腕に必ず抱くことをヨンジャは改めて誓った。
 実家に戻ったヨンジャは、両親の遠慮をいいことにわがままに振る舞った。両親も娘可愛さから、何をしても文句も言わなかった。
(私の息子を見捨てたこの人たちに復讐してやる。必ず後悔させてやる)
 それだけを胸に、ヨンジャは徐々にファン家での地位を不動のものにしていった。
 ジスクが目障りだったのは仕方がないが、ジスクの実家はヨンジャにとっても手放したくない縁戚だった。
 自分の味方にできるものはすべて自分側に引き入れてしまう。
 両親が老い、その頃になると、
『お前にはツライ思いをさせた。すまなかった』
 と見捨てた孫息子のことをよく口にするようになった。
『お父様。すまないと思うなら、教えてください。――我が子は、私の息子はどこですか?』







おはようございます。朝からどんより曇っています。
昨日、ジュラシックパーク3をテレビでやっていました。私はこの映画が大好きで、シリーズは全部見ています。
恐竜が特別好きってわけじゃないですが、なぜかこの映画だけはワクワクして好きなんです。
あとはバイオハザードも好きですね。他のゾンビ映画を見ちゃうと、夜中にトイレに行けないぐらい怖いのに、なぜかこの映画だけは怖くなく見れています。
お話の方ですが、しばらくは御前様の回想に入るかと思います。もう少し真実までお付き合いください。

今日もみなさんが楽しく過ごせますように。

いってらっしゃいといってきます。
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Re: 銀のタルさん

こんばんわ。

御前様はやっぱりお嬢様育ちなんですね。
世間を知らない。だから、自分の愚かさを他人のせいにしちゃう。
可哀相な人ですね。

バイオハザード。好きなんですよね。
新作が早く見たいです。ゾンビがゾロゾロでも「怖い」って思わないのは、
おっしゃるとおりかもしれません。

Re: りくさん

こんばんわ。

御前様の悲しい過去をもしテギョンやミニョが知ったらどう思うでしょうか。
確かに御前様の過去は悲しいです。でも、間違った考え方や間違った行動はやっぱり
ダメですよね。
家への復讐だけに固執して人生をすごしてきたとしたら、それこそ不幸ですね。
自分が味わった苦しみを若い世代には味わわせないようにするのが、
本当なら御前様が取るべき行動のはずですが・・。
それに彼女が気付く日はくるんでしょうか。その日が来ること祈ります。

ジュラシックパークの1,2までは映画館に見に行きました。
ワクワクして見たのを今でも思い出します。
ホラー映画は私もダメです。見ちゃったら・・・夜中目が冴えちゃいます(笑)

今の現状が私もすごく悲しいです。
何でこんなふうになっちゃったんだろうって思うと、歴史が憎らしくも思えます。
お隣同士の国。もっと仲良くしてもいいのに、一つこじれちゃうとどんどんこじれちゃいますね。
寂しいことだと思います。何をどうしたらいいのか私も分かりません。
でも、早く解決して、また前みたいに交流のある関係に戻ってほしいです。

Re: おかんさん

こんばんわ。

御前様も「家」から見れば一つの駒だったんでしょうね。
自分がされたことを他人にもしちゃう。
当たり前なんでしょうね。
御前様の引き裂かれた子供・・・安直ではないと思います(笑)
だったらなおさら、こんなことしないといいんですが・・・。

Re: とりこさん

こんばんわ。

幸薄い人。まさにそうですね。
「家」のために結婚して、「家」に捨てられたんですから。
復讐したくもなりますね。
だからって弟夫婦を憎んでいいってことにはなりませんが・・・。
ジスクおばあさんが義理姉妹として救ってあげれたらいいんですが・・。

《大サービス》の文字が悲しいです。
300円ってやっぱり高いですよね。私もガチャしたら300円でした。
でも、それでもしたいんです!(笑)

Re: ring輪さん

こんばんわ。

子供さんとは仲直りできたでしょうか?
私は母とケンカしたら、どこまでもそれを引きずっていました。
母も頑固なたちで決して謝らなかったので(笑)
サムライカアサンのおかん。あんなおおらかで太陽みたいなおかん、あこがれます。
何よりパパとラブラブなので。

御前さまの過去が少しずつ明らかになっていきます。
最後に残るのが希望であるといいですね。

Re: あかぴさん

こんばんわ。

人にはそれぞれ過去があります。
いい過去もあれば悪い過去もある。
御前様の場合、悪い過去だったんでしょうね。
思い出したくもない過去。
その過去が少しでも好転していい方向の未来に向かったらいいですね。
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