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短編

君に出逢うまで

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今日で、ブログを始めて一か月になりました。ここまで続けてこられたのも、
読んでくださるみなさんのおかげです。
これからも、楽しく・幸せなお話をお届けできるよう、頑張ります。
今回は初の短編に挑戦してみました。お話は、ミニョがミナムとしてA.N.JELLに
入るほんの少し前です。ラブラブはまったくありません







「お母さん!」
 テギョンは自分の叫び声で目を覚ました。
 胸をかきむしる様な格好で手はシャツの胸元を掴んでいる。
「…………」
 額には玉のような汗を浮かべて、全身、汗でびっしょりだった。
 はあはあ、と荒い息をしながら一瞬、ここはどこだろうかと考えた。
 自分の部屋のベッドだと気づくと、ゆっくりと起き上がった。朝の光がうっすらとカーテン越しに差している。
 テギョンは両手で頭を抱え込んだ。
(まただ。またあの夢だ……)
 今度は急激な吐き気に襲われ、慌ててバスルームに駆け込んだ。洗面所でげえげえっと吐いたが何も出てこない。
 蒼ざめた顔のまま、鏡の中の自分を見た。
 うっすらと涙の筋が頬に残っていた。それが悔しくてならない。
(あんな夢で俺が泣くなんて! クソッ!)
 蛇口を捻って水を勢いよく出すと、鏡めがけて水を思いっきりかけた。そうすれば、自分の泣き顔も歪んでよくは見えない。
 荒々しく服を脱ぎ捨てると、シャワーの蛇口を捻って、熱いお湯を出した。全身の汗も、頬の涙も、心の中のもやもやもすべて洗い流したかった。
 たっぷり時間をかけてシャワーを浴び、キレイに拭きあげるとバスルームを出た。さっき水で濡れた洗面台はそのままにしておいた。今はとても掃除する気になれないからだ。
 ベッドに腰掛けると、タオルで頭をごしごしと少し荒っぽく拭いた。
 いつものテギョンならありえないことだ。髪の毛や自分の体に関しては非常に気を使う彼は、風呂上り後のケアも怠らない。
 テギョンは一階に下りた。冷やした水が欲しかったのだ。
 大きな冷蔵庫を開けるとそこには、お気に入りのミネラルウォーターが何本もストックされている。
 ごくごくっと音をたてて飲むと、そのままキッチンから続く外のテラスに出た。
 そこはテギョンのお気に入りの場所でもあった。十一月の終わり。風は少し冷たく、風呂あがりの肌を刺すようだった。
 一気に汗が引き、心地よかった。
(いつになったら、あの夢を見なくなるんだろうか……)
 子供の頃からずっと変わることなく見続ける夢。別に見たくて見ているわけではない。むしろ見なくてすむなら、その方がいいに決まっている。
 ごくっとまた水を喉に流し込んだ。冷たさが喉に気持ちよく、少しずつ心が晴れていくようだった。
 部屋に戻ったテギョンは、ラックに整然と並べられているCDに目を向けた。その中の一枚を取り出すと、それに挟んである写真を取り出した。
 そこには子供の頃のテギョンと、一人の美しい女性が写っていた。
 思わず写真を破りかけた手が震えて止まった。
 これまでも、あの夢を見るたびにこの写真を破り捨てようとした。その度に、手が震えて出来なかった。
 今回もそうだ。写真をまた元の位置に戻して、オーディオデッキのリモコンボタンを押した。父のファン・ギョンセがこの前行ったばかりのオーケストラが流れて来る。
 椅子に座り、目をつぶって耳だけを音楽に傾けた。こうしているとだんだん気持ちが落ち着いていく。
 嫌なことをすべて忘れられる。

 テギョンは、うとうとしながら夢を見ていた。
 夢の中のテギョンは子供だった。父は世界的に有名な指揮者であり、年中海外公演で、滅多に家には帰らなかった。
 あれは、テギョンがいくつの頃だろうか。
 久々の凱旋公演で韓国に戻ってきた父のために、親戚が集まって盛大なパーティーを開いた。
 客の中には父の音楽関係の人もいて、子供のテギョンはただ隅のほうで見ているだけだった。
 そんなテギョンに構ってくれる人はいなかった。
 テギョンはいわゆる「はみだし者」だった。
 音楽一家のファン家は何よりも体面を重んじる家。スキャンダルはご法度だった。そのスキャンダルの落し胤とも言えるテギョンは、ファン家にとっては隠したい存在だ。
 親戚は誰一人テギョンに目もくれない。初めからいない存在として無視してきた。
「テギョン、こちらにおいで」
 父のギョンセだけは違った。
 一人息子のテギョンを溺愛して、臆することなく「息子」だと紹介してくれる。
 テギョンはそんな父が好きで、尊敬していた。
「先生の息子さんですか? 大きくなりましたな」
 そのおじさんはテギョンを知っているのか、ははははと笑いながら言った。
「おじさんは、僕のこと、知ってるの?」
「えっ? ああ、小さい頃から知ってるよ」
「じゃあ、僕のお母さんのことも?」
 無邪気に訊いたテギョンの言葉に、会場にいた人たちが固まった。
「えっ? そ、それは……」
「テギョン! もう、あっちへ行っていなさい」
 ギョンセはそう言うと、秘書である女性に目配せして、テギョンを外に連れ出した。
「テギョンさん。お母さんのことは口にしちゃいけないって、きつく言っておいたでしょ?」
 秘書の女性が少し怒った口調で言った。
「……ごめんなさい。でも、僕、知りたくて……」
「テギョンさん!」
 秘書の甲高い声に、幼いテギョンはビクッとした。
「いいですか? もう二度とそのことは言わないで。分かりましたか?」
「……はい」
 
 テギョンははっとして目を覚ました。
 いつの間にかまた、寝ていたようだ。
(お母さんのことは聞いちゃいけません、か……。今なら、言われなくたって口にもしないさ)
 ふっと自嘲めいた笑みを口元に浮かべた。


 毎日、そんな夢を見ていたテギョンは、その後、すぐにミニョと出逢った。
 最初は嫌悪さえ感じたミニョに、いつの間にか心惹かれていた。
 純粋で、人を疑うことを知らず、世間知らずなミニョ。
 自分のぽっかり開いていた心の穴に、ミニョはどんどん入って来た。
 ミニョがつらく寂しかったテギョンの心の穴を埋めてくれ、それ以上の愛で心を満たしてくれた。
(ミニョ……。お前さえいればいい。お前がいてくれれば、俺は何があっても生きていける。もう寂しくもない。つらくもない。これからは、お前との楽しい未来だけを考えればいい)
 
 今ではもう、あの夢も見なくなった。

 俺は一人じゃない――
 お前がいるから――





どうだったでしょうか? 初めてなのでドキドキです。

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~ Comment ~

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No title

いつも楽しく読ませていただいてるのに、なかなかコメントせずですみません。
美男ですねが大好きで、ここにくるのがとても楽しみです。
ミニョとテギョンが大好きな私は、ここで微笑ましい姿を見れて幸せです♪
素敵なお話し、ありがとうございます!!!
これからも楽しみにしてます!
また読みに来ますので頑張ってください♪

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Re:sophiaさん

こんにちわ、はじめまして。
コメントありがとうございます。
お名前を見たとき、ドキッとしました。
と言うのも、私のブログのタイトルに関連のあるお名前だったので、
嬉しいです。

テギョンとミニョの初々しい二人が大好きです。
お話がまわりくどくないですか? 書いてて、遠回りしすぎかな? って
思うときがあるので、読まれてる方がそう感じてたら、申し訳ないです。
今回はまず短編をお届けしました。
私なりに考えたテギョンの子供の頃のお話です。短いですけど。
また機会があったら、書きたいなって思ってます。

Re: ファイティンさん

こんにちわ、コメントありがとうございます。
嬉しいです。
ここまで続けられたのも、みなさんのおかげです。

さて、短編は喜んでもらえたでしょうか? 喜ぶお話ではないですね。
でも、テギョンが何であんなにひねくれた性格になったんだろうって、
考えた時、その環境かなって思いました。
正式に結婚して生まれた子供じゃないテギョンはやっぱり、はみだし者かなって。
哀しいですけど、今のテギョンにはミニョっていうかけがえのない存在がいるから、
それですべてがいいかなって。
いつか、このお話も詳しく書けたらなって思ってます。

これからも、よろしくお願いします。

Re: みうさん

こんにちわ。コメントありがとうございます。
来てくれるだけで嬉しいので、いつでも来て下さいね。

テギョンとミニョのラブラブを書きながら、書いてる私まで
嬉しくなっちゃいます。
本編のドラマでももっと二人のラブラブが見たかったなって
思います。

これからも頑張りますね。
みうさんも頑張ってください。

Re: ぴっぴ!!さん

こんにちわ。コメントありがとうございます。
初の短編だったので、ドキドキでしたが、そう言ってもらえると
ホッとします。
テギョンのあの性格ってどうやったら出来るんだろ? って思いました。
幼い頃の環境がそうしたのであれば、ああなっても仕方がないかなって、
思ったら、このお話を思いつきました。
ぴっぴ!!さんのおっしゃるように、ミニョとテギョンってまさにその通りですよね。
どっちかが欠けたら、絶対幸せにはなれなかったみたいな。
出逢うべくして出逢った! みたいな。

大丈夫です! ちゃんと伝わってますよ。いつも楽しく読ませてもらってます。
私は今日からホンギルドンを見る予定だったので、機械が動かずに、第一話が
見れませんでしたv-406
果たして明日から見れるのか!? って不安です。
エイリアンも見てみたいです。可愛いでしょうね。

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Re:JULIAさん

こんにちわ。コメントありがとうございます。
すみません、ブログ始めてまだ一か月です。誤解されたみたいで、
ごめんなさい。
でも、ありがとうございます。

私も○Netで初めて見たのが夏でした。再放送でやってて、もうハマってしまって、
続きが気になって一気に借りて見ちゃいました。
私もイケメンでツンデレ好きだと自覚しましたv-410
いろんな(と言ってもさほど多くはないですが)韓国ドラマを見ましたが、
イケメンはもう大好きです。

今夜から新しいドラマ始まりますね。楽しみですが、日本で見れるのはいつでしょう?
早く見たい気もしますが、まだまだテギョンから抜け切れない私です。
JULIAさんが私のような若輩者の書いたお話を楽しみにしてくれるなんて、すごく嬉しいです。
これからも頑張って書きます。いつでも、お越し下さい。待ってます。

失礼しました

ごめんなさい ブログ1ヶ月でしたね~!ホント私年は重ねて居りますがオッチョコチョイですので!ご容赦下さいませ

Re: ジュリアさん

いいですよ、まったくノープロブレムです(アン社長風)v-410

お名前はジュリアさんでいいでしょうか?
それともJULIAさんにしたほうがいいでしょうか?
またコメントいただけることがあったら、教えてください。

おめでとうございます!そうして・・・

ありがとうございます。
ブログ1ヶ月。
なつあおいさんの御宅にたどりついてから、
同じ時をすごすこのPCの前に座る・・・が
1日の核になっちゃいました。
幸福な時間に、感謝です。

テギョンひょん、
子供時代のことは、思い出したくないことが
多かったと思います。
でも、モ ファラン おもに に会えるから、
あのホテルに泊まっていたなんて、エピソードから
考えるに、心根までひねくれてはいなかったと、
いわゆるポーズをとって、生きてきたわけですね。
ミニョに出会えて、奥底にあったピュアな部分をだせるようになった
と・・・。 
 しみじみと読みながら考える・・・秋ですね!

Re: yaoiさん

こんばんわ。
こちらこそ、ありがとうございます。
一か月、何事もなく無事ブログが続けられたのも、読んでくださる
方がいればこそのこと。
一ヶ月前はホント、いつ辞めるかわかんないぐらい、不安でした。
それが、今ではたくさんの人に読んでもらえて、もう感無量です。
こんな御宅ですが、いつでも気軽にお越し下さい。
茶菓でおもてなしできませんがi-179

テギョンの子供の時代にスポットを当てて書いてみましたが、
もう少し掘り下げて今度は書いてみたいです。
あの子供時代があったからこそ、今がある、みたいな。

こんばんは☆

初の短編よかったです!ホントに!!

テギョンの今に繋がるシークレットの部分が見れたような・・・ドラマでも盛り込んでくれたらよっかたのにと思えるほど・・・デスi-179
父と母それぞれの思いに、何だか喉の奥があつくなるような・・・胸がしめつけられるような・・・テギョンをギュッてしたくなりました!
でもそれはミニョの役目ですね(笑)

ミニョに出逢えて もう悪夢を見ずにミニョのそばでグッスリ眠れるテギョン 幸せですね♪

では次のお部屋に行かせていただきます!アンニョ~ン!

Re: muyumuyuさん

こんばんわ。
短編は初の試みだったので、ドキドキでしたが、そう言っていただくと
ホッとします。
不眠症だったテギョンもミニョが側にいれば、ぐっすり寝られるし、
悪夢ももう見ないと思います。
幸せになってほしいです。
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